薬剤抵抗性のBrugada症候群に対するRVOT 心外膜アプローチ

興味深い論文/発表があったので Prevention of ventricular fibrillation episodes in Brugada syndrome by catheter ablation over the anterior right ventricular outflow tract epicardium. Nademanee K, Veerakul G, Chandanamattha P, Chaothawee L, A…

カテーテル操作

カテーテルの操作は進める、引く、まわす(クロックワイズ:CW、カウンタークロックワイズ:CCW)とそれにデフレクタブル・カテーテルだと曲げる・伸ばす(bidirectionalだと両方向)の協調運動である。心臓の3次元構造を想定して、どのような操作によりカ…

プログラム刺激:上室性不整脈

上室性不整脈のEPSに必要な手技。 心室刺激 心室高頻度刺激 VA伝導の有無(AT vs AVNRT,AVT) VA伝導時間(AVN vs AP) retrograde atrial activation sequence (concentric vs eccentric) 心室プログラム刺激 VA伝導時間(AVN vs AP) 逆行性心房興奮のsequ…

設定

EPS前に記録電位を確認する。 12誘導心電図は以前の心電図と比較する。電極のつけ間違い、胸部誘導の位置のずれは正確なマッピングにとって致命的である。 心内心電図の電位を確認する。電位の興奮順序より電極ピンの刺し間違いがないかを確認する。電極の…

His束カテーテル

上室性頻脈のEPS/ablationにはHis束カテーテルは欠かすことができない。EPS開始前にしっかりとしたHis束電位を記録できるようにカテーテルを留置する。中隔副伝導路の症例ではPara-Hisian pacingが実施できるように若干心室側に留置するが、心房頻拍の症例で…

RA留置

RAのカテーテルは右心耳に留置するとカテーテルが安定して良い。また、HisとCSと合わせて、左右心房全体の興奮順序を確認しやすい。Sinus node近傍にカテーテルを留置した場合、固定が安定しないことが多く、また、三尖弁輪より離れているため、右側副伝導路…

CSへの挿入

上室性不整脈のEPS/ablationの際にはカテーテルを冠静脈洞(CS)に留置することが多い。CSカテーテルにより左房僧帽弁輪の電位が記録でき、RA,Hisに留置したカテーテルから記録される電位と合わせて、心房のactivation sequenceを把握するのに有用である。特…

カテーテルの三尖弁の通し方

カテーテルを三尖弁に通すことは容易であるが、時になかなか通過しないことがある。そんなときのポイント。 基本は:透視のみかたを参照 カテーテルのカーブが足りずに通過しない場合。:カテーテルをクロックワイズにひねり、中隔寄り(His束付近)に向け、…

透視のみかた

EPに使用する透視のViewは通常RAO/LAOをもちいる。CARTOなどのマッピングシステムを用いていないときはカテーテルを動かす際に、透視でカテーテルの動きを確認する。特にカテーテルを進める場合には抵抗がないかどうか、カテーテル先端の動き、シャフトのし…

透視

透視はbi-planeをつかったほうがいい(single-planeで習熟している人はのぞく )。 Bi-planeを使うことにより、以下のメリットがある。 心臓の3次元構造が理解しやすくなる。 カテーテルの心臓内における3次元的位置が把握しやすくなる。 手技時間が短縮さ…

カテーテルのすすめかた:RA-IVC接合部

カテーテルがRA-IVC接合部を通過する際は、肝静脈に迷入しないように気をつける。APでカテーテル先端が背側を向くようにするとよい。(先端が側面に向いていると、肝静脈に迷入しやすい。) AFLのアブレーションの際に、カテーテルがRAからIVCに落ちた後に不…

カテーテルのすすめかた:挿入、大腿静脈

カテーテルを受け取ったら、カーブ・堅さを確認する。デフレクタブル・カテーテルでは実際に曲げてカーブの大きさを確認する。シースに挿入する際には伸ばしておくが、血管内に入ったら、軽く曲げておくと行き先を選択しやすくなる。カテーテルを進める際に…

誘発試験

どのぐらいしつこくVTを追うかは、術者に依存している。 検査中には様々な不整脈が誘発されることがあり、患者の症状の原因となる不整脈(ターゲット不整脈)、実際に外来で発生しているが症状の原因ではない不整脈、検査中のみ誘発される不整脈と様々である…

アブレーションと局所麻酔

アブレーションをするためには鼠蹊部に局所麻酔をするけど、2%キシロカイン20ccで結構な血中濃度になる。 とくに流出路起源VTの際には注意する必要がある。

いつ心外膜アプローチにすすむか?

米国では心室頻拍のアブレーションを専門に行っている施設・術者間では心外膜アプローチが一般的になってきている。 たとえるなら、心房頻拍の症例で右房でうまくいかないなら、心房中隔穿刺して左房をチェックするような雰囲気だ。 といっても、心外膜アプ…

右側WPW症例におけるV1誘導での陽性デルタ波の意味。

ちょっと前にフェローに心電図を見せられて、副伝導路の部位診断を聞かれた。I・IIが陽性、IIIがフラット、V1誘導でrSだったので、右室自由壁と答えた。 彼はI、V1のデルタ波が陽性なので、左室中隔起源だと思っていたようだ。 日本では(井上の分類)で、V1…