His束カテーテル

 上室性頻脈のEPS/ablationにはHis束カテーテルは欠かすことができない。EPS開始前にしっかりとしたHis束電位を記録できるようにカテーテルを留置する。中隔副伝導路の症例ではPara-Hisian pacingが実施できるように若干心室側に留置するが、心房頻拍の症例では心房電位が記録できるように心房側に留置する。ほとんどの症例で4極Fixedカテーテルで明瞭なHis束電位が記録できるが、記録できない場合には間隔の詰まった多極(10極)デフレクタブル・カテーテルを用いる。
 His束電位が記録できる部位は三尖弁輪上中隔心室側であり、RAOでみてRVカテーテルのカーブの頂点付近となる。カテーテルを一旦、心室側に挿入し、クロックワイズにひねりながら中隔に沿わせ、引いてくるとよい。EPSの途中でカテーテルがずれ、His束電位が記録できなくなった場合には、位置を調整する。