カテーテルの三尖弁の通し方

 カテーテルを三尖弁に通すことは容易であるが、時になかなか通過しないことがある。そんなときのポイント。
 基本は:透視のみかたを参照
 カテーテルのカーブが足りずに通過しない場合。:カテーテルをクロックワイズにひねり、中隔寄り(His束付近)に向け、カテーテル先端を三尖弁輪に引っ掛ける。少しカテーテルをすすめ、たわみをつける。そのままでは中隔に当たり進まないことが多いので、今度はカウンタークロックワイズに軽くひねりながら進める。カテーテルの先端(カーブ)が三尖弁輪で滑り、カテーテルが右室腔に進む。
 右房が大きくカテーテルが三尖弁輪に引っかからない場合:カテーテルを一旦体外に抜き、手でカーブをつけてから再度試みる。体内に長く留置した診断カテーテルは柔らかくなり、カーブもとれてくることが多い。

 ポイントは透視(RAO/LAO)を確認しながら、カテーテルと心臓の位置関係を把握しながら検査を進めることが重要。カテーテルの留置が困難な場合には無理して一つのカテーテルに固執せず、カテーテルを交換(カーブの大きい物に交換)あるいはロングシースを用いて留置するなど柔軟な選択が必要。留置困難だからといって、必要なカテーテルを省くと後々の診断、アブレーションに影響してくる。